今月は “Home Sweet Home” (“やっぱり我が家が一番”)という慣用句から、 “home” という単語をテーマとした言い伝え、ことわざ、慣用句などを紹介しますね。
まず、英語ではよく;
1.「Home is where you hang your hat」 (“Home” という場所は自分の帽子をかけるところ)
今となれば少し時代遅れのファッションになってしまったかもしれませんが、西洋人はその昔、男性も含めてお出かけする時の正装はよく帽子をかぶる習慣がありました。
そしてその帽子を脱ぐ場所、それが “Home” だと言ってるんですね。
要約すると 「気を緩める場所」、「くつろぐ場所」、「休めるところ」、という感じです。
また;
2.「home is where the heart is」 (“Home” という場所は自分の心のよりどころ)
言ってみれば、「一番落ち着くところ」、「一番いたい、居続けたい所」、「一番気になるところ」 であるはず、ということですね。
さらに;
3.「A house is not a home」
英語で言うところの 「house」 と 「home」 は違う意味をもつ単語なんです。
“Home” という単語の英語の辞書を調べてみるとだいたい次のようなことが書かれています。
「Home is not a house, mansion, or a palace. Home is a place where you feel happy, love and safe. ・・・(省略)
It’s the place we raise our children with tender love and care.
Home is just the place where we all feel loved and safe.」
とありますが、これを簡単に訳すと;
「 “home” という場所は “house” ではなく豪邸でもなければ宮殿でも無い。
“home” という場所は誰もが喜びを感じ、特別な思いをもって安心感を持てるところである。
またそこは深い愛情と気遣いを持って子供たちを育てる場所である。」
結論;“house” という単語の和訳は “家”、これは建物の種類の一軒家、という意味で使われているんですね。
逆に “home” という単語は “帰すべき場所”、 意訳すると、“ふるさと”、“我が家”、“本拠地” とか “生息地” という意味などで使われます。
例えば、“house” は人間しかもっていないもの、“home” は鳥、鹿、猪などの野生動物も皆持っているものです。
なので昔からもCMなどでは;
“You can buy a house, but you can’t buy a home”
(家はお金で買えるかもしれないが、心のよりどころである “おうち” はお金で買うことはできないだろう)
では次にこの “home” という単語を使った慣用句の例も見てみましょう:
4. “I’m coming home to you”
- これは “you” を “帰る、戻るべき比喩的な場所” と表現しており、 “私はあなたの元へ戻ります。” というニュアンス・・・♡♥♡
5.“There’s no place like “home”
( “我が家に勝るところは無い” )
ここで “house” という単語が使われていないのも単なる建物のことではなく、むしろ “温かい我が家” というニュアンスを重要視している証拠。これは The Wizard of OZ (オズの魔法使い)と題する名作から一世風靡した名台詞
6.“Bricks and mortar make a house, but the laughter of children make a home.”
( “レンガとモルタル(セメント)は “house” を作るが子供たちの笑い声は “home” を作る” )
単なる “家” というニュアンスをもった “house” という単語には、このようにネガティブなイメージを表現することにも用いられる場合があるんですね~。例えば;
7. “A house divided against itself cannot stand”
( “内部で紛争がある家は長く続かない” )
8. “A house without a dog or a cat is the house of a scoundrel.”
( “犬や猫もいない家はろくでなしが住む家だ” )
この最後の文については全く文化や事情が異なる我が国ではちょっと事情が違いすぎて通じないかもしれませんね。(笑)
話はちょっと変わり、企業にお勤めの営業職の人は仕事上最も気を使う相手、ストレスを感じさせられる人や場所がお得意様だったり客先とかではなく、自分の会社の内部にいる上司や先輩だったりすることが決して珍しくないのも、実際のところ変なのかもしれません。
いうまでもなく、これは日本に限ったことではないかもしれませんよね。
さて、それでは皆さんのご自宅はどうですか? “Home sweet home” ( “やっぱり我が家が一番” ) ですか?
それとも “house” でしょうか? (^ _~)